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b. 洋楽

「中学生の時に聞いた、ビルボードTOP40にチャートインした数々の曲たち」

いまでは『80’sなんたら』とかいって、簡単にコンピレーションアルバムにしてしまって、自分の青春時代の音楽体験をバカにされているような嫌悪感を少なくとも持っている昨今です。

1983年頃からすっかりハマってしまった洋楽の世界ですが、アルバムなどを購入するお金はおこづかいでも足りませんでしたので、ホントに数枚持っているだけでした。しかし、当時は「全米TOP40」を筆頭に、数多くのラジオ番組が存在し、そこでエアチェックをして曲を何回も聴いたという体験をした方が大勢いると思います。私もその一人です。

しかも、リアル80’sといえる、当時の最新ヒットのほかに、「ベストヒットUSA」風に言うと、「タイムマシンのコーナー」のように、昔のヒット曲も何度と無くオンエアーされていました。 それらをごちゃ混ぜにして聴いてしまったが最後、年代まで記憶していなければ 「全部80’s」となってしまいます。私がそうです(笑)。

でも今思うに、このごった煮 状態の音楽体験が無ければ、人種不問・ジャンル不問、好きなものは全部好きという音楽の聴き方はしていないでしょう。ある意味、根っから日本人ですね。

『TRILOGY』 Yngwie J. Malmsteen

私を「光速」の世界へと誘ってくれた張本人、イングヴェイのアルバムの中ではかなりポップな作品です。「Far Beyond the Sun」が収められた『RISING FORCE』は彼の初ソロ作として特に有名ですが、個人的にはこのアルバムがお気に入りです。事実、現在においてもライヴで演奏される曲が多く収録されているアルバムでもあり、イングヴェイ本人の中でも評価が高い作品なのかな、とも思っています。アメリカ進出を見越してのポップな作風は、当時賛否両論だったと記憶しています。不幸なことに、勢いがつきそうな時期に自動車事故で重傷を負い、一時は再起不能では?などと報道され、非常に心配されたことがありましたが、リハビリを経て新作を発表しました。ただし、それまでのきらめく様な音は、そのアルバムには収録されていませんでした。非常にガッカリさせられた「事件」でした。その後は、本人も自覚していたのでしょう、さらなるリハビリを重ねた結果、ほぼ元の状態に戻ったかの勢いです。私もいまだにファンです。このスタイルのプレイは、イングヴェイ以外は認められません!・・・個人的に。

『LEAN INTO IT』 MR.BIG

タラスのビリー・シーン、レーサーXのポール・ギルバートが結成したスーパーバンド、なんて大いに騒がれた、ミスター・ビッグ。デビューアルバムの1曲目「Addicted To That Rush」で日本のロックキッズをK.O.してくれました。そんな彼らのセカンド・アルバムがこれ。電気ドリルにピックをつけてのユニゾンがある意味滑稽だった1曲目は例外ですが、決して派手にテクニックを披露するわけでもなく、その辺りを期待した向きには少々物足りなかったかも。 ただ、楽曲としてはかなり良い出来なのではないか、と思うわけです。アメリカン・ハードロックの王道ともいえる音作りは、アメリカのチャートで育った私にはゾーンど真ん中でした。 コピーすればわかるのですがテクニックは披露していないだけで、やっていることは私には真似できません(笑)。

『KATY LIED』 Steely Dan

学生時代に潜り込んだPA(コンサートなどの音響さんですね)のアルバイトの現場にて耳にする音、スピーカーのサウンドチェックでのホワイトノイズと『ナイトフライ』、そう、ドナルド・フェイゲンの傑作アルバムです。そのドナルド・フェイゲンがメンバーのバンド(ユニット?)がスティーリー・ダン。 ミュージシャンおたくになってから、幾度と無くその名を耳にしながらも、数曲しかちゃんと聴いたことがなかったのですが(しかも「Do It Again」だったり)、ボックスセットが発売になると聞き、早速購入。 全曲聴いてみて気に入ったのが、このアルバムと『ROYAL SCAM』の時期。 『AJA』は当然「みんなの」お気に入りで、私も例外ではないのですが、サウンドの雰囲気というかなんというか、妙にハマってしまいました。 単独でアルバムを持っているのは『AJA』とこのアルバムだけです。