>

1.音楽との出会い


気が付いたら、歌ってました(笑)。 「ザ・ベストテン」、この番組が始まったのがいつだった のか 未だに正確には知らないのですが、小学校を卒業する頃までは これが私の知る「ポピュラー音楽」のすべてでした。 歌謡曲、ニューミュージック、演歌、のちにアイドル。 当時の日本の音楽シーンを語る全ての要素がいっぺんに 見聞きすることができた番組だったと思います。 毎週木曜日夜9時、そんな時間にテレビに合わせて大声で歌ってたんです。 隣近所に対して、両親はさぞかし恥ずかしい思いをしたでしょう。 テレビに出演拒否をするアーティストの曲は、ラジオでカバー。 「不二家歌謡ベストテン」「コーセー歌謡ベストテン」 「決定!全日本歌謡選抜」などなど。 当時のラジオは、イントロで曲紹介という洒落たスタイルは FMでも少なかった時代。私はもちろん「エアチェック」して 覚えたものです。これが極まって、小学校高学年の頃には「深夜ラジオ族」。 「MBSヤングタウン」。関西で育った同世代の方々はわかる方もいるでしょう。 私はこれにはまってました。 中学校に進学することを意識し始めた6年生。新しく増える科目、そう、 「英語」に対する興味を持ったのもこの頃。覚えるのは大変だろうなぁ、 でも、英語の歌を聴いていれば上達も早いかなぁ・・・誰でも考えそうな、そんなことを思っていたところに、クリストファー・クロス。 なんじゃそりゃ、と。しょっちゅうラジオでかかってたんですよ、 「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」。 “Arthur’s Theme”、原題ですけど、何の関係もありません。 でも、子供ながらにいい曲だなと反応したわけです。この曲のイメージは「雨の日曜日、部屋から窓の景色を眺める」です。洋楽への架け橋は、透明感のある、クリストファー・クロスの声でした。