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2. Favorite

『MINT JAMS』 Casiopea

中学3年の時に購入したアルバム『HALLE』 がカシオペアとの出会い。そこからニューアルバムは出るごとに購入、それと同時に昔へさかのぼり、デビューアルバムまで一通り聴いた中で、 やっぱり、というかなんというかこのアルバムが一番のお気に入りです。 衝撃度は 「Thunder Live」 の方が上なのですが、同じライヴ録音という意味でのアンサンブルの完成度の高さについては、やはりこちらが上ですよね。当たり前といえばそうなのですが(笑)。 なんといっても一番聴きなれた バージョンの「ASAYAKE」が収録されている点でも一番。とあるラジオ番組で CMの代わりに流れていたのですが、イントロからちょうどテーマに入るあたりで フェードアウトしてしまうんです(その間1分ほど)。なんとも煮え切らない。 見つけたときは「これだっっ!」と、本当に叫んでました。 余談ですが、レゾンデートル在籍中に出場した「ジャパンオープン」という コンテストの審査員として野呂一生氏が名を連ねておりました。そのコンテストの前夜祭でご本人とお会いできました。一言二言だけの会話でしたが、 非常に緊張したことを覚えています。

『WELCOME TO THE ROSE GARDEN』 T-SQUARE

カシオペアと同じく、中学3年の時に購入した 『Resort』 がこのバンド (当時はもちろん ザ・スクエア)との出会い。こちらはむしろ新しいアルバムを 期待していました。なのでさかのぼったのは『打ち水にRAINBOW』くらいまでです。 Sax&EWIに本田雅人氏を迎えてから5作目となるこのアルバム、個人的に非常に完成度の 高いアルバムだと評価しています。ラストの「PRIME TIME」がなければなお良し、なんですけど。その分、ライヴでの再現という意味では非常にキビしいようでしたが・・・。ここでも余談ですが、放送局に勤め始めた時にボンヤリ考えていた「この人たちに会えたらもう会社を辞めてもいいと思う人たちリスト」に安藤まさひろ氏も入っていたんです。そうしたら、入社した年の4月か5月(!)に『夏の惑星』のプロモーションで局を安藤氏と須藤氏が訪れて、番組にゲスト出演されました。ご本人たちとは直接お話しできなかったのですが、当時同行していたマネージャーさんと少しお話しさせていただきました。 「前作に比べて、本田氏の音が『リリコン』に近づいたような気がします」などと偉そうに述べると、思い切り笑われつつも「本田もいろいろ音作っていますからねぇ」とちょこっと裏話のようなものも伺えたのが嬉しかったです。アルバムのリリースが4月21日。そんな時期に会社を辞めるわけにはいきませんでした(爆)。

『Sixth Dimension LIVE』 DIMENSION

大学時代籍を置いていたジャズ研究会の先輩で、4年の時にサックスを始めたとは思えないようなスーパープレイを聞かせてくれる方がおりまして、多分私が卒業後遊びに行った学祭でたまたま会ったその先輩から教えてもらったのだと記憶していますが、「もろサンボーンだよ」と言われて聴いてみると本当にそうでした(笑)。曲そのものは聞き覚えがあって、テレビ朝日の番組でよく使われていた人たちのライヴだ、というのはすぐにわかりました。 バンドの形態としてはT-SQUAREと同じなのですが、そんなことは微塵も感じさせないアンサンブルの重厚さ(ライヴにおいての、という意味で)に圧倒されました。後々このユニットのコピーをやる結果になるとは、その当時は夢にも思いませんでしたが、時代の流れはまちがいなくDIMENSIONにありました。フュージョンやるなら今は!みたいな、ね。 あくまで個人的な意見なのですが、スタジオ録音のアルバムも含めて「ベストアルバム」の1枚です。 DIMENSIONのコピーをやっているアマチュアバンド関係者の方々、ドラムをお探しであればぜひお声をかけて下さい。 このアルバムなら、全曲暗記していますよ(ほぼ真実)。でもソロは勘弁(苦笑)。

『WAY-OUT BASIE』 Thad Jones and The Count Basie Orchestra

WAY-OUT BASIE / Thad Jones and The Count Basie Orchestra

学生ビッグバンド関係者からすると「どの時期のベイシーがよりベイシーか?」なんて話をし始めると喧嘩になりそうな場面も出てきそうですが、私にとってのベイシー原体験はこのアルバムです。バカっ速の「THE HEAT’S ON」や「WIND MACHINE」を聴いたのも、個人的に好きなナンバー「AND THAT’S THAT」を初めて聴いたのもこのアルバムです。厳密に言うと、聴いた、ではなく「見せてもらった」というのが正しいのですが・・・。というのも、このライヴはレーザーディスクでもリリースされていて、ボーカルのジョー・ウィリアムスなども出演したライヴだったのです。そこで見たドラム(デニス・マクレル)が非常にカッコ良くて、結局私がドラムに転向した最大の要因ともなっています。バンドサウンドについては、ベイシーバンドというにはかなりモダンな響きを伴っている、という評価が一般的です。それがかえって私のお気に入りになった理由かもしれません。

『Invitation』 Jaco Pastorius Big Band

ジャズ研究会というサークルでビッグバンドの形態での活動を再開する、という流れの中で先輩に聴かせてもらった多くの音源で、際立って衝撃を与えられたのがこのバンドの演奏する 「Invitation」という曲でした。ずっと気にしていたら、大学2年の時に山野ビッグバンドジャズコンテストで 同志社大学ザ・サードハード・オーケストラが演奏していて、これもまた衝撃でした。 当時はまだ実家が神戸にあったこともあり、正月の帰省の際に京都のライヴハウスで行なわれたライヴを聴きに行きました。それくらいその年のサードハードは素晴らしいバンドでした。 話がそれましたが、ベーシストの中でこれほど個性的かつ音楽的な存在はないであろうジャコの日本でのライヴの編集盤です。もともと 『TWINS』 というタイトルの2枚のアルバムが、その全容を記録した音源だったのですが、ジャコが契約していたレコード会社からのリリースではなかったため、そのままリリースし続けるのが困難になっていたのも事実だったようです。その所属レコード会社からリリースされたのが、このアルバム。無駄に長かったソロなどが編集され聞きやすい形での 収録となっています。ただし「Invitation」はほぼそのままの収録になっていて、個人的に非常にうれしかったですね。なお、『TWINS』も現在はCD化されています。

『Yesterdays』 Lew Soloff

YESTERDAYS / Lew Soloff

ギル・エバンス・オーケストラのリード・トランペット兼ソリストとして、またマンハッタン・ジャズ・クインテットの一員としてもお馴染みのルー・ソロフ。彼の1986年のリーダー作がこのアルバムです。初めて聴いたのは大学1年の時。当時4年だったトランペットの先輩から渡されて一言、「学祭でこんな感じでやるから聴いて勉強しといて」。多少はギターでソロも弾けるようになったとはいえ、まだまだの私にこんなプレッシャーを・・・などと思いましたが、非常に光栄なことでもあったことは事実。同時に渡されたポール・モティアンの 『ON BROADWAY VOL.1』との2本のテープを、擦り切れるかと思うほど聴きました。どちらも1ホーン+ギター・トリオという編成で、コードを知らない私にとっては地獄。しかも、方やマイク・スターン、方やビル・フリゼールという、いわばジャズ・ギター界のニュー・ジェネレーションたち。コピーするのは非常に難しい状況でした。しかしながら、マイク・スターンに関してはその以前から同じ先輩に聞かせてもらっていたこともあり、多少ながら取っ付き易かったということはあり、このアルバムをより多く聴いていました。メンバーはルー・ソロフ(tp)、マイク・スターン(g)と、録音当時19歳だったチャーネット・モフェット(b)、そして御大エルヴィン・ジョーンズ(ds.)。雑誌「ジャズライフ」でマイク・スターンのソロ採譜が掲載されたこともあり、いろいろ勉強させてもらった1枚です。今となっては、あまり役にたっていませんが(笑)。

『ROAD GAMES』 Allan Holdsworth

どこのカテゴリーに入れて良いのやら迷いましたので、インスト作品ということでここに入れます。 ギターを始めてから間もない頃、雑誌「ギターマガジン」で取り上げられるギタリスト全てに、音は知らなくても興味を持つのは当然だった私。エディ・ヴァン・ヘイレンがライトハンド奏法を生み出したきっかけになった、なんて話に出てくるアラン・ホールズワースに興味がいかないわけがない。 ということで、最初に購入して聴いたアルバムがこの1枚。これも記憶が定かではないですが、確か「TOKYO DREAMS」という曲の一部分が譜面で掲載されていたことを覚えていて、レコードショップでその曲が入っているアルバムを購入したのだと思います。「非常に大きい手を生かした、レガート奏法」なんて書かれている雰囲気を、このアルバムで確認しました。ピッキングをほとんどしない、滑らかなフレーズで展開されるアラン本人の演奏もさることながら、ジェフ・バーリン(b)とチャド・ワッカーマン(ds.)のテクニックにも驚かされました。「TOKYO DREAMS」のようなキレイな曲を書くことは、今でも一つの目標です、なんてね。

『TOUR DE FORCE – “LIVE”』 Al Di Meola

ホールズワースがレガートなら、こちらは炎のフルピッキング!アル・ディメオラのライヴアルバムです。 邦題で『ライヴ・ファンタジア』なんてタイトルもついていたようですが、実際どうなんでしょうか?これは確か、イングヴェイ・マルムスティーンをよく聴いていたころ、同じような速弾きスタイルでソロアルバムも何枚か出していたヴィニー・ムーアが影響を受けたギタリストとして名前を挙げていて、それが引っかかっていた時にレコードショップで中古を見つけて購入したものだったと思います。レコーディングに参加していたミュージシャンを従えてのステージを収めたもので、スティーヴ・ガッドやアンソニー・ジャクソンなどの名手たちが名を連ねています。ヤン・ハマーのバーチャル・ギター(?)とのソロ・バトルは結構おもしろくて、どっちがどっちだか音だけではわからない箇所もあったり。この他には、アコースティック1本で作った 『Cielo e Terra』もお気に入りです。

『THE ELEKTRIC BAND』 Chick Corea’s Elektric Band

このアルバムのリリースは1986年となっていますが、私が聴いたのは1990年ごろ。大学入学の頃です。それまでバンドの存在は知っていました。というのも、このアルバムをリリースしていたレーベル「GRP」は非常に元気だった時代で、日本でライヴも数多く開催されていました。さらには、そんなライヴはNHKで放送されるという流れもあって、テレビで見て何となくスゴいなと思ってはいたんです。でも、当時はJ-FUSION~ハードロック/ヘヴィメタルという流れにいて洋物フュージョンには興味を持てなかったんです。で、遅ればせながら大学デビュー(?)となったわけです。いきなりハイライトとなる「CITY GATE」~「RUMBLE」にやられました。こんな曲演ってみたーい!一度チャレンジしてみたこともありますが、やはり無理でした。トホホ。

『EYE OF THE BEHOLDER』 Chick Corea’s Elektric Band

で、同じバンドでもう1枚です。フュージョンというよりは、クラシックのような感覚で聴いていました。タイトル曲のイントロは印象的で、ラジオから流れてくる彼らのライヴ告知のBGMで繰り返し聞いて以来、しばらく耳から離れなかったほどです。学生時代には、このアルバムの曲をビッグバンドで演奏する大学もありました。立教大学ニュー・スウィンギン・ハードがそうでした。チック・コリアみたいなピアニストがいてデイヴ・ウェックルみたいなドラマーがいればやってみたくなるのでしょうが、本当にやってしまうのには驚きました。残念ながら録音でしか聴けませんでしたが、そのサウンドたるや「よくアレンジしたなぁ」と思うほどの出来で、正直言ってうらやましかったです。

『HEAVY METAL BE-BOP』 The Brecker Brothers

私が大学生の時に、再結成~ワールドツアーでひとしきり盛り上がりました、ブレッカーズ。やっぱこれっしょ、という1枚は、私のお気に入りでございます。 ドラムのテリー・ボジオも何気に持ち味全開です。ブルース進行の「Inside Out」には すっかりお世話になりまして、ブルースでいかにおもしろいソロフレーズを作るかという点で参考にさせていただきました。リユニオンバンドの「Some Skunk Funk」よりも数段スリリングなこのアルバムのバージョンが、この曲の理想形だと思います。

『MAGNETIC』 Steps Ahead

個人的に超お気に入りプレイヤー、マイケル・ブレッカーの参加したバンドは結構音源や映像を 所有したりしています。そんな音源の中でのお気に入りのひとつがこのアルバムです。日本の盲目フュージョンファンのために再結成ライヴなどもやっていましたが、ほぼノーリハではないかというほどのキビしい演奏で少しガッカリしました。そのライヴでも演奏されたのは このアルバムの曲が多かったほどの、傑作だと言い切りましょう、あくまで個人レベルで。 スタジオアルバムとしては非常に完成度の高いソロを「TRAINS」で披露しているのも見逃せません。今後のリユニオンに対してのリクエストは、ちゃんとリハーサルをやってから来日することと、 ドラマーは必ずピーター・アースキンを連れてくることです。ガッドさんでもスティーヴ・スミスでもかなり役不足です。エレクトリックはもうやらないのかな、ピーターさん・・・。

『INFINITY』 McCoy Tyner Trio featuring Michael Brecker

やはり最近のマイケルの好調ぶりは、このアルバムがきっかけではないかと思います。 コルトレーンとの共演でも知られるマッコイ・タイナーのトリオをバックに、素晴らしい吹きっぷりです。「Impressions」のソロは、マッコイ、マイケル共に快調だと思います。 これ以降マイケルはアコースティック・ジャズアルバムを立て続けてヒットさせ、さらには「ソロ・サックス」と言えばいいのでしょうか、「Naima」を吹き込んで以来、ステージでもあらゆる曲で無伴奏ソロを披露しています。私もコンコード・ジャズ・フェスで目の当たりにしましたが、本当にスゴいの一言です。

「中学生の時に聞いた、ビルボードTOP40にチャートインした数々の曲たち」

いまでは『80’sなんたら』とかいって、簡単にコンピレーションアルバムにしてしまって、自分の青春時代の音楽体験をバカにされているような嫌悪感を少なくとも持っている昨今です。

1983年頃からすっかりハマってしまった洋楽の世界ですが、アルバムなどを購入するお金はおこづかいでも足りませんでしたので、ホントに数枚持っているだけでした。しかし、当時は「全米TOP40」を筆頭に、数多くのラジオ番組が存在し、そこでエアチェックをして曲を何回も聴いたという体験をした方が大勢いると思います。私もその一人です。

しかも、リアル80’sといえる、当時の最新ヒットのほかに、「ベストヒットUSA」風に言うと、「タイムマシンのコーナー」のように、昔のヒット曲も何度と無くオンエアーされていました。 それらをごちゃ混ぜにして聴いてしまったが最後、年代まで記憶していなければ 「全部80’s」となってしまいます。私がそうです(笑)。

でも今思うに、このごった煮 状態の音楽体験が無ければ、人種不問・ジャンル不問、好きなものは全部好きという音楽の聴き方はしていないでしょう。ある意味、根っから日本人ですね。

『TRILOGY』 Yngwie J. Malmsteen

私を「光速」の世界へと誘ってくれた張本人、イングヴェイのアルバムの中ではかなりポップな作品です。「Far Beyond the Sun」が収められた『RISING FORCE』は彼の初ソロ作として特に有名ですが、個人的にはこのアルバムがお気に入りです。事実、現在においてもライヴで演奏される曲が多く収録されているアルバムでもあり、イングヴェイ本人の中でも評価が高い作品なのかな、とも思っています。アメリカ進出を見越してのポップな作風は、当時賛否両論だったと記憶しています。不幸なことに、勢いがつきそうな時期に自動車事故で重傷を負い、一時は再起不能では?などと報道され、非常に心配されたことがありましたが、リハビリを経て新作を発表しました。ただし、それまでのきらめく様な音は、そのアルバムには収録されていませんでした。非常にガッカリさせられた「事件」でした。その後は、本人も自覚していたのでしょう、さらなるリハビリを重ねた結果、ほぼ元の状態に戻ったかの勢いです。私もいまだにファンです。このスタイルのプレイは、イングヴェイ以外は認められません!・・・個人的に。